2024年本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』の作者、宮島未奈さんの新刊『婚活マエストロ』を読みました。
成瀬シリーズが心躍るストーリーとするならば、『婚活マエストロ』は心和む内容でした。
あらすじ
舞台は静岡県浜松市。
主人公の猪名川健人は40歳独身。大学時代からずっと同じアパートに住み、在宅でWebライターとして生計を立てている。
大家さんの紹介で婚活事業を営む会社の紹介記事を書くことになる。
何かと謎の多い会社だが、記事のためと婚活パーティーに参加していくうちに様々な人と出会う…。
ほのぼのとした婚活小説
成瀬シリーズもそうでしたが、嫌な気持ちにならない小説でした。
私は最近、殺伐とした世の中だなと感じることがあるのですが、この小説を読んでいる時には、ほっと心和む瞬間がありました。
婚活パーティーでの出会いがほのぼのと描かれていて温かい気持ちになります。
猪名川健人はコタツ記事ライターなので、婚活とも縁のない生活をしていました。
しかし、いくつかの婚活パーティーに参加することで、自ら人との出会いを求めるようになります。
人との出会いだけでなく、仕事やモノなどの出会いでも、自分が動き求めることで人生も生活も変わる。
そんなことを読んでいてあらためて感じさせられました。
思い出したお見合いパーティー
むかしは、お見合いパーティーと言っていたような?
わたしも20代のころ、1回だけ参加したことがあります^^
友達数人と「行ってみない?」という話になって参加したのです。
男3人女3人のグループになって話した場面だけ覚えているのですが、他に何をしたか覚えてない…。
ただ、1人だけカップルになった友人がいて、その後も連絡は取り合っていたみたいなんだけど、結婚まではいきませんでした。
作者の滋賀県愛が感じられる
婚活のお話ですが、シニアの婚活パーティーのお話もあったり、成瀬シリーズの地元ファンの人たちにはうれしい「ミシガン号」も登場しますので、いろんな世代の方が楽しめる小説だと思います。
ただ、ドロドロとした激しい変化のあるストーリーを求める方には向かないかもしれません。